はじめまして、はじめます

theLetter での記事配信をはじめます。
第1回の記事として近況報告的な簡単なはなしから。
峰 宗太郎 2024.06.02
誰でも

theLetter はじめます

 みなさまこんにちは。

 はじめまして、または、お久しぶりです。

 峰 宗太郎(みね そうたろう)です。ウイルス学やワクチン研究など感染症の研究や、感染症にかかる管理の仕事なんかをしています。

 以前は X(旧 Twitter)やインスタグラムなどの SNS をさかんに使っていましたが、2年ちょっとの間お休みをしておりました。これらを久ぶりに再開するとともに、お声がけいただいていたりした取り組みもいくつか始めてみようと思います。その一つがこの theLetter での記事配信になります。

近況報告の記事からはじめますかね…

 知人でもある医療記者の岩永さんをはじめとする複数の知己の方々が theLetter で記事を書かれているのを知っていましたので、「書いてみませんか」とお声がけいただいたときには、すぐ飛びつきたい感じではありました。まぁ、実際には状況がいろいろありましたので、時期をみていたという次第です(note もありますし実際アカウントも持っているのですが、そちらは時間のあるときに改めて整備しようかなぁ…と、放置されていますしね)。

 といっても、記事を書き続けることって大変ですよね…いや、大変なんですよ。本を書くのも大変ですが、雑誌にせよオンラインにせよ、記事を出し続けるのは相当に大変なことであると思います。SNS なら簡単なのに、そのあたり、不思議ですね(SNS であっても、動画や「プロ」だと生産コストはかなり高いのだとは思いますが…)。アウトプットを続けるには、それ以上にインプットがいりますし、なにより発信したいという強い動機、熱意、情熱があり、かつ、それを継続させねばなりません…きっとそうです。

 さて、始める!とは言ったものの、最初からネタがありません。これも問題ですね。具体的なネタ、これもとても重要なのです。まぁ必死にいろいろ考えればでてくるのかもしれませんが、最近はちょっと「ぱたぱた」していたこともあり、かつ、知っていることに関する大きいニュースなどもあまり思いつかず、すぐに、これ、という内容が無いわけです。

 そこで、ちょっとここ2年間のことも絡めつつ、ごく簡単に近況報告から書きだしてみたいと思います(先が思いやられる展開です)。

ここ2年間の極めてざくっとした仕事と生活

 私事、極めてたんたんと過ごしていますが(ルーチン人間化しています)、実は今年の4月に転職をいたしまして、ようやく仕事になれ始めてきたかなぁというところです。転職はなんどしても手続きなどが多くてぱたぱたしますね。かつ、慣れるのに時間がかかります。

 振り返れば、2022年に、4年少しの間すごしたアメリカから帰国し、東京にあります国立感染症研究所でお世話になっておりました。多くの有能かつ魅力的な研究者の方々と一緒に仕事ができて充実していましたが、別方面の経験を積むべく、今年からまた職を変えてみた次第です。

 2年ほどは、専門として一番長く取り組んできている、ヒトヘルペスウイルスの研究仕事だけではなく、エムポックス(旧サル痘)、新興ウイルス感染症、バイオインフォマティクス、そしてワクチン開発研究などに携わらせていただきました。短期間に多くのプロジェクトに関わることが出来、大変に充実していたと言えます(そのはずです!)。本業自体が充実していることはとても重要なことですね。

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)についても多くの専門家と一緒に仕事をしたり、意見交換をしたり、データとにらめっこしたりして、学ぶことが極めて多かった、と言えます。書けないこともまぁ、沢山なるっちゃぁありますが、いろいろ学びました。

 ウイルス学の研究というと、研究室で白衣などを着てピペットをつかっている、という生物学の研究者的な漠然としたイメージがあるかもしれませんが、実際には書類仕事も沢山ありますし、データまとめもありますし、で、デスクワークも多くします。また、実際には研究の打ち合わせや認識のすりあわせなどもありますので、対面だけでなく、Zoom や Teams などを用いた会議・打ち合わせも多く、さらには、実際に出張しての仕事もあります。アカデミック寄りになると論文を書くことこそが最も大事という観念でやっておられる先生が多くなりますが、行政よりとなるとそうとも言えませんし、実際には多くの仕事があり、成果物もさまざまです。まぁ成果がどのぐらい出ていたかの評価は難しいですし、そもそも研究者の評価って、すごく難しいですね(この辺も追々)。

 そんなわけで、2年間の間に、学会も含めていろいろ出張もいたしました。宮崎、熊本、茨城、東京都内いろいろ、沖縄(本島と宮古島)、神戸、仙台、ボゴタ(コロンビア共和国)、キンシャサ(コンゴ民主共和国)などへ行きました。

 研究や調査、実際のお仕事についてはまた、これまた追々振り返るとして(今後の記事のネタでもありますので…)、まぁ、そんな感じでいろいろなことをしながら2年間余、ウイルスやワクチンについて考えてきました。そして現在もまた感染症に関する仕事を続けているという次第です。

SNSなどを離れて

 一方、メディアへの出演・SNS などでの対外発信は基本的にはしない、というお約束をしておりましたので、「ほぼ」露出することなく(いくつか出ましたけれども)、情報やリテラシーの問題についても、観察はしつつも個人的に勉強を続けるという感じになっておりました。ただ、SNS についてはあまり観察はしすぎないようにしてきました(そういう意味では浦島太郎状態です)。

 SNSを離れるとみえてくることやわかってくることが少しありました。

  • SNS は非常に私たちの時間を食べている

 とにかくSNSから離れると時間ができますね。私の場合にはゲームなどもやらないので、なおさら時間ができました。最初は何をすればよいんだろう…と悩むぐらい時間ができますね。

  • SNS では精神をとてもすり減らしている

 精神的にはすっきりしますね。いろいろ気にしなくてよくなくなりますし、チェックするという行動自体が、ある意味習慣を超えて強迫や中毒みたいになっている面もあったのかもしれません。SNS を見ないとそわそわするとということが起こりますが、しばらくすると、消えていきました。

 SNS には、いわゆる「アンチ」や攻撃的なことを平気で言う人も一定数いますよね。こういったコメントをみているだけで実は心がすり減っていたことにも気付きます。しかし SNS を離れて現実をみてみますと、そういう攻撃的であったり非常識であったりする言動をする人は現実では少なく、ある意味外れものというか問題児的な人なんですよね。そういう人が大きくみえてしまう、または、現実ではぎりぎり折り合いをつけていても SNS 空間では箍(たが)がはずれてしまう残念な人になってしまう、そういうことなんだなとつくづく思いました。変な意見はやはり気にしなくてよいし、変な人は変、と再認識できたのは、やはり SNS を離れてよかった面ですね。

  •  SNS をやめてしばらくすると他のことに時間が使えるようになってくる

 SNS から離れてしばらくすると、その時間を何に割り振るかという感じが生まれてきて、精神的なものが回復というか現実に馴染んでくると、いろいろなことができるようになりますね。私の場合は、まずは読書から始めました。読書も最初は本腰を入れて行うためのリハビリがいりましたけれども…長い時間じっくり座って読むというのも結構体力や集中力がいるものですね。

  • SNS があってもなくてもそんなに現実は変わらない

 SNS を盛んにやっているときは、とにかく SNS の言論内容に左右されますし、情報もとらないとなぁとも思いますが、まぁ、実際には SNS から離れてもやることは現実に一杯ありますし、SNS の中で動いていることは小さいことも実際多く、現実で考えることの重要性への気付きや、力といったらいいのか、「認識力」が再びつくようなところはありましたね。

  • SNSの良いところ、悪いところが段々見えてくる

 ここは重要で、ネタのためにとっておきますが、SNS にはよい面も沢山ありますし、悪いところもありますよね。いろいろな気付きがありました。

 そういえば、最近売れているという「なぜ働いていると本が読めなくなるのか」を読みました。近代日本史(特に労働史的な部分あり)をからめて、読書週間や「教養」認識の変遷を紹介しつつ、どっぷり仕事全力投球、仕事全部で生きるのではなく「半身」の生き方を提唱する、というスタンスの本なのですが、確かに仕事や通勤で疲れて余裕がなくなり本などがよめない(趣味などが出来ない)ということもありますよね。ただ一方、SNS やスマホゲームなどに対する時間のかけ方には依存・中毒的なものもあるんだろうなと実感したので、そういったところへの突っ込みは甘いのかなぁ、と感じたところはあります。

 一方、こちらも売れ筋「ファスト教養 10分で答えが欲しい人たち」を読むと、手っ取り早く情報を手に入れたい、利用できるかどうかを軸に情報を判断することを是とする風潮などをまとめていたりするわけですが、「SNS的」なものもそこには確かにあるなぁと感じることもできました。一度離れる、というのはいろいろ考えるきっかけになりますし、よきでした。

 まぁそんなわけで、がっつり SNS どっぷり生活に戻るというわけではなく、気楽に再開してみようという感じ…に至ったわけです。

 実際には SNS を離れて「出来た」時間何をしていたかというと、元来9時-17時人間(定時仕事ししない!)なので、時間ができて(しまい)、当初は本当に戸惑ったところがありました。しかし、徐々に読書を再開し、楽器の練習を再開し、コンピュータの趣味(プログラムを書いて遊ぶ)を再開し、人と会う機会をつくるようにし、そしてなにより、ぼーとしたり集中したりはありますが、いろいろなことを考えることが出来るようになりました。考えることって重要なんですよね、考える時間をとることが不足する、というのはよくあることのように思います。まぁ、一番過ごす時間が増えたのは、昼寝と夕寝などの睡眠時間と、居所の掃除時間でしたが…。

というわけで、SNSをやめて置き換えてやっていたことを挙げてみますと…

  • 論文よみ(業務関連はもちろん、気になったものまでしっかり読めるように)

  • 読書(月20冊以上は読めるまで回復、また難しいものにも取り組めるように)

  • 語学の勉強(お気に入りの DuolingoBusuu はもちろん、語学書も読み、検定を受ける準備などもするように…実際出張でスペイン語とフランス語は使うこともあり、楽しんでいます)

  • 楽器の練習(基礎練習の時間をとりつつ、新しいテーマに取り組むなど)

  • 食べ歩き(まぁダイエットの敵ですが、感染対策しつつ一人での楽しい食べ歩き)

  • ダイエット(一時大成功して-15kgまでいったものの、リバウンドし、再開中です)

  • 整理整頓(とくにコンピュータのデータ整理、紙資料の電子化をしましたね)

  • 本を書く・本の企画(後述)

  •  新たなコレクション趣味(スタバの have been there シリーズのマグカップ収集を始めました…これに嵌まってしまい、結構集めました)

  • 同僚と釣りにいったりなど新し挑戦も少し…

  • コンピュータで遊ぶ(プログラムを書くのが好きなのです、半分仕事でもありますが)

 といったところでしょうか。趣味以外では、仕事をしていたのはもちろん、SNS 関連で誹謗中傷の訴訟を終わらせ、いろいろな団体からの離脱をし(これは公務員となったため、ね)などがあったりしたのですが、雑駁なことはまたこれも追々にいたしましょう。

 SNS を離れて、ちょっとした作業をするためにカフェを活用するということを覚えたため、本日(2024年6月2日)ものんびりカフェでこの記事を書こうと考えていたのですが、あいにくの雨のため、自室に引きこもりつつ、コロンビアで仕入れてきたコーヒーを淹れてのんびり書いているところです(雨は嫌いです、梅雨がくるのがいやです)。

再始動さっそく

 早速再始動ということで、昨日(2024年6月1日)ひさっびさに、X に投稿(ポストというようになったのですね)をしてみました。ご挨拶リプライも沢山いただきとても嬉しい限りです。運用方針を考えつつ、X、インスタグラム、threads などをしてみたいと思っています。上記の反省や気付きを活かして…ですね。

 theLetter での記事配信の内容は…、…まだ考え中ですが、日常で思ったことや思いついたこと、論文の紹介や研究の紹介なども交えつつ、ざっくばらんに書いていこうかなと思っています。

 さて、ここにきて、実は宣伝すべきことがあります。アメリカにいたときから(6年以上ぐらい前からと考えていただければ…)始まっていた息のながーい企画なのですが、実は、このたび一般向けの簡単な書籍を出版することになりました!

Amazon より

Amazon より

  出版いたしますのは「病理医が切実に伝えたい 病気の仕組みと予防の正解」(マガジンハウス)という本になります。是非お手にとって見て、気に入っていただけましたら、何冊でも、何冊でも、お求めいただければと存じます。

 今回は、医学・健康にかかわる基本的な内容を、わかりやすく、をモットーにまとめました。図は少なめで字が多く、テーマもちょっとぼんやりしたものっちゃぁあれなのですが、病気について少ししっていただき、予防を意識してもらいたい、そういう感じで書いてみました。

 はじめに企画をしていただいた編集者のかたも、ライティングのお手伝いをしていただいたかたも、あまりに時間がかかった企画ゆえに転職されてしまったりして大変なご迷惑をおかけしましたが、現担当編集者の方の粘りに押していただきなんとか出版までたどり着きました。

 まぁこのぐらいの本なら「プロ」にかかれば一ヶ月未満の仕事なのでしょうが、先にも述べたように記事をかくのには、動機や情熱、が必要です。なかなかこれを保つのは難しいのですよね。

 そうそう、某出版社からいただいていた別の人体・医学に関する本は、けいゆう先生の「すばらしい人体」と「すばらしい医学」が出版され大大大ヒットになるのを横目に、「あれがでちゃうともうだめですね、しかもほぼ被ってます」と潰れ(笑うところです、じ●うさん、ごめんなさい)、病理専門書の企画は遅々としてすすまず(編集者・共著者にも悪い…金●堂さん、こめんなさい)、「ChatGPT本」企画はおそらく2023年頭に一番のりで企画したにもかかわらずたらたらしているうちに「医療者のためのChatGPT:面倒な事務作業、自己学習、研究・論文作成にも!」、「医師による医師のためのChatGPT入門:臨床がはかどる魔法のプロンプト」によって挫折し(じ●うさん、ぼめんなさい)、勉強のコツ本を書こうとしたら(もう本当にごめんなさい)安川先生が「科学的根拠に基づく最高の勉強法」を大ヒット(これは10万部行くのでは!?)で送り出す、ということも続きまして、企画潰し王として君臨するに至ったわけです。

 まぁ、そんなこんなで本を書くのも難しい、記事を書くには情熱がたりない、SNS ではバズらない、という感じでやっておりますが、ようやく、ようやく一冊書きましたので、お手にとっていただければ…と思います。

ネタを常に募集したいと思います

 さて、何を書いているんでしょうね、つらつらと好きに書きましたが、この先が不安です。専門性のあるものや、面白いなと思ったことなどを書いていこうとは思うものの、皆様からの疑問やこんなことを書いてほしいということがあれば、是非お教えいただきたく思います。

 Xのプロフィールにもお問い合わせリンクを含むリンクがありますのでそこからでもよいですし、マシュマロに投げていただいてもよいです。このレターへの返信が可能になったらそこでももちろんOKです。お悩みでも、雑談でも、テーマでも、解説してほしいものなどがあれば教えてくださってもよいです(なんでも解説できるわけではありません)。

 これまで Twitter と連動したマシュマロでいろいろ回答してきましたが、今後はこの theLetter などを使って回答していければよいかな、と考えております。

 あ、あとレターのシリーズ名の候補があればどうぞお教え下さい!(今は「峰 宗太郎 のニュースレター」という素っ気ないものになっておりまして…)

おわりに

 おわりにといっても、この記事の終わりに、です。これにて theLetter での記事おわり、ではありません。

 今後いろいろ発信していきたいと思うものの、双方向こそコミュニケーションの要ですね。ご感想やご要望などを常にいただければと思います、ネタだけではなく。どうぞよろしくお願い申し上げます。とりあえず、theLetter、X、Voicy について(職場との兼ね合いでここから)始める形になりそうです。

 なお、X 始め SNS の投稿内容や、ここを含めいろいろな記事などの内容については、あくまでも個人的な意見の投稿でありまして、所属するいかなる団体等の意見を代表するものでもありませんし、組織の方針を示すものでもありません。また、業務上知り得た秘密については絶対に記載することはできませんので、ご理解のほどお願い申し上げます。

 では、次回、またお会いいたしましょう!👶

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